放蕩の守護天使

あの日。本気で生に疑問を持ったあの雨の日。マリア様に助けられたあの日。帰り、家を持たないであろう。僕の守護天使であろう。放蕩であろうホームレスが漫画喫茶の前で雨に濡れチューハイを持ち座り混んでいた。僕は何かしなきゃ。僕にできること。今、愛なら何をするか?待っていて下さいと心の中でつぶやき、僕は速歩きで家に帰り、毛布を持ち漫画喫茶の前に戻った。しかし、もう既に守護天使の姿はなかった。僕は何も得られなかった。あの時、毛布をかけてあげれたらとても大きなものを手に入れていた気がする。とても大きなものを。